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仕事に行けなくなった…女性との対話

2023.02.23

午前1時を過ぎた頃、「もしもし…あの…」

受話器を握りしめ、次の言葉が出ず戸惑っている様子が伝わる。

「はい、新潟いのちの電話です」

「あの…」

「急がなくて良いですよ、あなたの話しやすいように話して下さい。待っています」

やや長い沈黙の後、

「本当に24時間繋がっているんですね…びっくりして…」と、話し始めた。

不安な気持ちを抱えたままダイヤルを回した。今の自分はダメな自分であること。仕事に行っていない私はダメ。 以前の私は、夜中まで仕事をこなし、誰よりも早く職場に出ていた。身体はきつかったけれど、やりがいを感じていた。自分の目標が達成されることが励みになり、また楽しかった。

それが眠れない日が続き、朝になっても、ベッドから出られなくなった。身体が動かなくなった。
どうしてこんな自分になってしまったのかわからない。もうダメなのだと、自分を責める言葉が続く。

「お前はダメだ。仕事に行かないのは怠けているからだと、母が言うんです」

誰も分かってくれない。その気持ちを聴いていた。かける言葉もなく、聴くしかなかった。
仕事を頑張っていたこと、それを母親に分かってほしかったこと、それなのに分かってもらえない辛さ、今の状態は病院に行った方が良いが病院に行けない辛さを、ただただ聴いた。

最後に、
「病院に、行ったほうがいいんですよね」と、電話は終わった。

語りながら、自分の気持を整理して行く相談者の本来の力を教えてもらった。
人の持つ力強さを知ることができた深夜の電話だった。


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