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「さびしい気持ちがおさまらない・・・」・・・男性との対話
2024.10.22
「さびしい気持ちがおさまらない・・・」と60代と思われる男性。最初は言葉少なく、誰とも話をすることがない、今日は心療内科へ行き、ご飯を食べ、近くにできたお店にも寄って疲れた、という。
しばらく日々の生活のことを聴き、心療内科に通っているというので、つい「先生には、さびしい気持ちのことなどお話しているのですか」と聞いてみた。すると、「ここではさびしい気持ちをなんとかしてくれはしないんだ」と言われた。
「何とか?」
「みんなそうだ。他のところに行くといのちの電話に電話してみたらという。ここでは、医者に聞いてみた?と言われる。どこに行ってもさびしい気持ちはどうしようもない」と。
どきっとした。専門医にかかっていることで、こちらが安心したかっただけの問いかけで、切られてしまっても仕方ないと思った。
「なぜ、そんなにさびしい気持ちになってしまうのか」を尋ねると、
「あなたは私の話を聴く覚悟はありますか」
「そのつもりで聴いていました」というと、そこから妻との結婚、妻の連れ子の非行、妻と考え方の相違で離婚、娘との疎遠など長い電話になった。自分ではどうしようもなかったと。
「自分ではどうしようもできない事情で、つらい別れになってしまったのですね」さびしい気持ちがどうなったかを聞くことはできなかったが、さびしさと怒りのような感情を受け取り、ただ聴くだけで電話を置かせていただいた。
きっとさびしい気持ちはなくならないだろう。ただ、その気持ちを吐き出すこと、人と話をすることで、少しでもさびしい気持ちが何とかなってくれたら、と終わってからも心に残る電話でした。